Pharmacotherapy

薬物療法(飲む薬と注射薬)

血糖値を下げる飲む薬について

2型糖尿病の治療の基本は食事療法、運動療法です。食事療法や運動療法を行っても血糖管理が不良の場合は、血糖値を下げる薬を飲む治療が行われます。

患者さんの病態(ご自分の膵臓のインスリンを出す働きやインスリンの働きをまずは検査させていただきます)・年齢・生活様式・経済状態・理解力など個人の病状に即し下記の日本糖尿病学会が提唱する薬物療法のアルゴリズムに即した薬の選択を行わせていただいております。

下記のように飲む薬は多くの種類があり、それぞれの薬で飲む時間や飲み方、副作用も異なります。
正しく服用するようにしましょう。低血糖、胃腸障害など副作用に注意しましょう。体調不良の際には休薬が必要となる薬もあります。ご相談ください。

いずれの薬も単独、少量から始め、病状に応じて増量、併用、変更を行っていきます。
ジェネリック薬品がまだ発売されていない薬もありますが、薬の数が多く飲み忘れや飲みづらい、経済的、心理的に負担が大きいと感じられる方は配合錠への変更、薬価の低い薬への変更、飲む時間の変更、一包化なども考慮いたしますのでご相談ください。
当院スタッフはもちろんのこと、門前薬局には糖尿病療養指導士の資格を有する薬剤師が在籍しており丁寧に薬に関する情報を提供させていただきます。

注射療法について

①インスリン注射

作用時間により超速効型、中間型、持効型、混合型があります。現在使用されるインスリンはヒトインスリンアナログ製剤で超速効型は食事前に注射を行うことにより、すみやかに食後のインスリンを補うことができます。食直前、開始後20分までに注射をすることで従来の超速効型よりより速やかに効果を発揮する注射も発売されています。持効型は24時間の基礎インスリンを補うことができます。下記インスリン製剤の一覧をご参照ください。
2025年1月には週1回注射アウイクリが発売されました。

1型糖尿病の方では超速効型を毎食直前に寝る前に持効型を注射する頻回インスリン注射が主流となっています。また持続的にインスリンをポンプで注入する(CSII・SAP)といった方法もございます。ポンプも従来の形と異なり注入チューブのないメデイセーフウィズも発売されています。

2型糖尿病の方でも糖尿病歴が長く、血糖値を下げる飲み薬をのまれていても血糖管理が不十分な場合には1日1回持効型もしくは週1回の注射から開始することもできます。特に高齢者や視力障害のある方など見守りが必要な方や自分では注射ができない方ではこの方法が選択されます。頻回の注射が困難な場合には混合型といって超速効型と中間型が混合されている注射もございます。
高血糖による意識障害を発症した際や重篤な感染症を発病した際、手術の際、妊娠時、ステロイドホルモン剤を内服する際、膵臓を切除された際などもインスリン注射療法が必要になります。
妊娠中に発見された糖尿病(妊娠糖尿病)の方もインスリン注射療法が必要②なる方もいらっしゃいます。
当院では個々人の病態、ライフステージ、ライフスタイルなどにより適正な注射の種類、回数などを提案させていただき、お選びいただくことができます。
インスリン注射はご自分で注射をしていただきます。一生注射をしなくてはいけない、痛い、面倒だ、と考えて躊躇されておられる方もいらっしゃるかと思いますが、現在は適切な時期にインスリン注射の助けを一時的に借りることにより、高血糖を解除し、インスリン注射から離れられる場合もございます。また、注射が面倒だと思われる方も多いと思われますが、使い捨て可能な注入器や万年筆のようにカートリッジ式になったインスリンを詰め替えて使用するペン型注入器も数種類ございます。針をつけて腹壁や足に注射をする必要があるので痛いと思われる方も多いと思われますが、痛みが少ない針(採血する針とは比べ物にならないぐらい細い針)もございますので、ご安心ください。インスリン注射は入院をしないとできないと思われていらっしゃる方も多いと思いますが、当院では外来でスタッフが指導し、開始することが可能です。

インスリンポンプ(メデイセーフウィズ)

②GLP-1受容体作動薬注射

自分の膵臓からインスリンがまだ出ている方で飲む薬では血糖管理が不良な方や体重減量がなかなか難しい方などに副作用として吐き気、腹部膨満感といった副作用が出る場合がありますが、適正な使用による本注射療法が有用です。毎日、もしくは週1回ご自分で注射していだきます。皮膚に注射器をあててダイアルを押すだけで針が見えない注射器もございます。インスリン療法と同じく当院では外来でスタッフが指導し開始することが可能です。

低血糖にそなえて

SU薬、グリニド薬といった薬を飲んでいる方やインスリン注射中の方では食事の時間が遅くなったり、食欲がない時、運動をした時、誤って薬を多く飲んだり、注射したりした際に低血糖が起こる可能性があります。
低血糖に備えて対処の方法を知っておくことが必要です。
けいれんや意識障害を起こしている際には救急車を呼んでください。
グルカゴン点鼻薬(バクスミー)を常備しておくようにしましょう。